後輩バンドへの手紙 01
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後輩バンドへの手紙 01
エージェント会社的役割を作る話を聞いて感じたこと
「売り出しは俺たちが担う。だからミュージシャンは音楽を作ることに専念してけばいい。役割を分担しよう(=エージェント会社化)」
音楽を作る作業とマネージメント/戦略の分離
たぶんよくある話だと思う
うまくいくケースはあると思うが、不幸な人を増やしかねない危うさも兼ね備えていると思う
武井壮がぶち当たってる問題はまさにそれである
武井壮の『挫折』と『価値とは何か』って話は、スポーツ・音楽・アート・デザイン系に通ずるところが大きいと思う
スポーツ業界では、ジュニア育成に力が入ると同時に、食い方を知らない中途半端なアスリートを多く生み出してしまっているらしい
食っていけない選手が増えていることを武井壮は課題に感じているわけだが、この課題はおそらく件のマネージャーのやろうとしてるエージェント方式によっても生み出されるものな気がするのだ
(それにスポーツ業界自体、契約を結ぶ代理人だってプレイヤーの人生全体をサポートすることはない。結局自分で生きていく方法は自分で考えなくてはいけない)
音楽業界に置き換えてみれば、
「ドンドン上手いバンドを生み出してこう」
「魅力あるやつらは俺たちが売り出してやるし、ほらこういう例だってあるんだぞ」
って言えば、確かにそこにいっぱい人は集まると思うし、いいバンドを生み出すことにはなると思うけど、一方で売れないバンドも数多く生み出される気がする
全部のバンドにエージェントが付けばいいじゃん、って思うかもしれないが、エージェント会社も会社である
利益を出さなければ立ち行かなくなるのだから、売れるバンドを探すハメになる
全バンドにつけるには、AIエージェントを付けるなど、機械や技術によるイノベーション以外その壁を乗り越えられないだろう
もし人的資源のみで実現しようとすれば、ブラック企業と化すしかない
じゃあ、売れないバンドをどうしたら減らせるだろうか、と思うわけだ
上にあげた、技術的イノベーションも一つの手だが、もっと素早く簡単に、時代を待たずに行える方法があると思う
それは、それぞれのバンドのマネタイズ能力を育成することだ
ただ実際、マネタイズ方法を全バンドに育成するのは手間がかかるし、時代が変われば人が何にお金を使うか自体が変わるのだから、画一的な手法は合わない
だったら、自分たちで今の時代のマネタイズ方法を体現して、そのメソッドを世の中にオープンにして、みんなにトレースしてもらえば、売れないバンドを救うことができるんじゃないか、と
それができるのは、実は特別な技術力があるわけでもない大学生バンドにしかできないことなんじゃないか、と
「クオリティの定義」の変化と時代の読み方
努力とコンテンツのクオリティが必要なのは間違いない
けど、それに加えて余白が必要、というのが今の時代(詳しくはSHOWROOMの前田さんを参照)
コンテンツ論概論で参照してる動画にも良く出てくると思う
星野源はやっぱり今の時代の天才だと思う
『SUN』からの快進撃は周知の事実だけど、このときの内心の変化として本人が語っているのが
「自分と向き合うのは病気のときでもう十分。もっと人と関わりたいと思った」
だからこその"君の声を聞かせて"という歌詞になる
- いつも笑顔で色んな人を受け入れる
- 踊る"自由=余白"を観客にもたらす
- ラジオとかも利用して、インタラクション性を作る
アイドル以外で、余白・インタラクションまでが今の時代の"クオリティ"である、というのをインターネットを使わずに体現している唯一の存在だと思っている
僕ら10,20代がやるべきはインターネットを使った"余白"の創出であるべきだ
技術を中心に世界/社会を見ていかないと、舵取りは間違いやすい気がする
現状をベースにしたエージェントシステムによる最適化は、技術をベースに見ていないから怖い
じゃあアーティストに売り出し方を教えるよ、となってみても、スタートが「分離」である以上、エージェントシステムがクリエイターの提供するコンテンツに影響を与えることは難しいはずだ
クオリティの定義が変化してきてる今の時代に、音楽だけを考えさせて"単純な音楽の質"を追い求めさせ続けるのは、アーティストを自立させなくする(自分たちで食っていけなくする)ことに繋がるのではないだろうか
食っていけないアーティストが出るのは、競争市場をベースにすることを考えるとある程度仕方ないことだと思う一方、
戦略を立てれば生きていける人が増えるのはいいことだと思う
本当の天才は多かれ少なかれ存在するし、戦略を立てて生きている人は必ず嫉妬する
村上隆でさえそうだ
島宇宙化とコミュニティ間競争の未来
もう一つ、未来の話をしたいと思ったのだが、、、
時間がないので、また今度にしよう