技術と表現と

『技術と表現』をメインテーマに据えながら、自分の興味あることを日々綴っていきます

VR映画?VRドラマ?VR劇? 思うところを述べる①

ブログ移転しました↓
VR映画?VRドラマ?VR劇? 思うところを述べる①


これまでのエントリで、VR×演劇というワードを投げてきました。
その掛け合わせ自体について、色々考えているところではありますが、
今日はその前に、360度視点での映像体験を前提にした『VR<劇・ドラマ・映画>』というカテゴリーについて思うことを書いていきます。
ちなみに1記事において、1つの動画をメインに据える形で、ものを言っていく形式にします。

resume21century.blog.fc2.com

きっかけはネットで『VR 映画』だか『VR 劇』だかで検索していた時に見つけた上のブログです。
これまで、360度映像は単なる360度映像として、
特に付加価値もなく、ただのプロモーションのためのものに過ぎないと思っていました。
(例えばこういうやつ↓)

www.youtube.com

しかし、このブログの分析や、ここで紹介されている360度映像をヘッドセットを付けて体験していくことで、
直感的に、『VR等での視聴を前提とした映像作品』というカテゴリーの勃興の可能性を強く思うようになっていきました。
(おすすめはこれ↓。今はハコスコと800円くらいの差で買えるし、クオリティがめっちゃ高い)

上記のブログでもいくつかの動画が紹介されていますが、それらに加えていくつかの動画を提示しつつ、
この『VRで視聴する映像』について考えていきます。

さすがU.S. CG力がハンパない『HELP』

www.youtube.com

まず1作品目は、映像としてのクオリティの高さが顕著に目立つ『HELP』という作品です。
これは見ればわかりますが、CGのクオリティが映画やドラマ並みです。
これだけのものを作るのに、日本だったら映画以外ほぼ無理なことは間違いないでしょう。
さすが、CG先進国のアメリカです。

ちなみにこの作品のメイキングムービーも存在します。

www.youtube.com

まぁ、これを見れば相当なスタジオでがっつり作り込んでいることがすぐにわかります。
個人的に特に気になったのは、この機材ですね。

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こういう仕組みで360度撮ってるんですね。
こうやって上から吊るすのは、『360 Music Video | SCHOOL OF ROCK: The Musical』のメイキングムービーにも出てきました。
(地味にGo Proで撮影されてるのが可愛い)

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こうすると、機材の真下の映像は撮れるようになるというメリットもありますが、
何より、配線上の都合が一番大きいのだと思います。

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これです。
普通の撮影であればカメラにディスプレイがついていたりと、撮影中の内容確認が容易でしたが、
360度撮影となると、映り込んでしまうため、従来の方法ではリアルタイムに内容を確認するのが困難となってしまったわけです。

そういうわけで、宙づりにして、上から配線を通し、別室にリアルタイムの映像を届けることで、
従来の撮影手順に近づけることを実現したわけですね。

にしても、これは撮影監督などにしてみたら、すごくやりづらいですね。。
ダメだしを出しづらすぎる笑

そして、このムービーの特徴としては、アングルが自動的に動いてくれる点ですね。
これもメイキング動画を参照してほしいのですが、
上であげた機材を吊るしている部分のレールとかに引っ掛けて、
カメラの視点自体を動かすわけです。
(上部にレールがあるのわかります?)

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これは結構重要なことです。
現実空間とのリンク性のあるVRゲームなどでは問題ないでしょうが、
まだまだ普通の360度映像やゲームでは、視点の位置が変わってくれることが、ストーリーの進行に欠かせないわけです。

普通にストーリーを考えてみても、一箇所にずっといるなどあり得ませんし、
定点なのもあり得ません。

こういった問題にクリティカルに答えられているわけですね、『HELP』という作品は。
まぁ、メイキングでも出てくるクロマキー用の布?的なのを見ると、
監督とかが映り込んでも後で消してしまいそうとか思ったりしますけどね。

マジックミラー的な感じで、カメラにはクロマキーに映るけど、監督側からは普通に見える特殊な布みたいなのが開発されたりしないですかね。




そんな感じで、1作品目の『HELP』についてざっくりと思ったことを述べてきました。
まだまだ考える要素は多いですが、とりあえず今日はこんな感じで。
次は、『Pearl』か『予告犯』あたりを取り上げたいと思います。